経路積分の記法揺れ

経路積分 (端点を固定した汎関数積分) の記法は文献によって若干の揺れがある. 例として, 経路積分

\[∫_{φ_0}^φ \mathcal{D}φ(x) \exp \bqty{i ∫_{x_\mathrm{A}}^{x_\mathrm{B}} \d{x} f(φ(x))}\]

の有名な教科書による記法を比べよう1:

また, 以下は経路積分の範囲 \((φ_0, φ)\) を省略している:

こう並べてみると, 次のような違いに気付く:

  1. 経路積分の範囲 \((φ_0, φ)\) の明記の仕方は大きく揺れる,
  2. 大文字を使う \(\mathcal{D}[φ(x)]\), \(\mathcal{D}φ\) 派と, 小文字を角括弧で挟む \([dφ]\) 派がいる.

当然であるが, これらの違いは経路積分の本質に全く影響しない. それぞれの執筆者の趣味趣向を感じられて楽しい, 程度の気付きである.

Footnotes

  1. 通常の積分 \(∫_{x_\mathrm{A}}^{x_\mathrm{B}} \d{x} f(φ(x))\) に関しても教科書ごとに若干の揺れがあるが, ここでは記法を統一した.