Galilei 変換

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Newton 力学とは, 運動方程式 Newton 力学とは, 運動方程式

\[\bm{F} = m \"{\bm{x}}\]

で特徴付けられる力学である. この力学は, Galilei 変換と呼ばれる次の時間・空間変換で不変であるという特徴がある1.

  1. Galilei ブースト:
\[t \longmapsto t'=t, \quad \bm{x} \longmapsto \bm{x}'=\bm{x}+\bm{v}t.\]
  1. 時間・空間並進:
\[t \longmapsto t'=t+s, \quad \bm{x} \longmapsto \bm{x}'=\bm{x}+\bm{a}.\]
  1. 時間反転: \(λ = ±1\) に対し,
\[t \longmapsto t'=λt, \quad \bm{x} \longmapsto \bm{x}'=\bm{x}.\]
  1. 空間回転・反転: 直交行列 \(R\) に対し,
\[t \longmapsto t'=t, \quad \bm{x} \longmapsto \bm{x}'=R\bm{x}.\]

あるいは, 一つにまとめて, Galilei 変換は

\[t \longmapsto t'=t+s, \quad \bm{x} \longmapsto \bm{x}'=R\bm{x}+\bm{v}t+\bm{a}\]

と書ける. または, 行列を用いて

\[\pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}} \longmapsto \pmqty{1 \\ t' \\ \bm{x}'} = \pmqty{1 & 0 & 0 \\ s & λ & 0 \\ \bm{a} & \bm{v} & R} \pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}}\]

と簡単に書ける. \(\det R ≠ 0\) であることから, この係数の行列は

\[\det \pmqty{1 & 0 & 0 \\ s & λ & 0 \\ \bm{a} & \bm{v} & R} ≠ 0\]

となり, 逆行列は

\[\pmqty{1 & 0 & 0 \\ s & λ & 0 \\ \bm{a} & \bm{v} & R}^{-1} = \pmqty{1 & 0 & 0 \\ -λs & λ & 0 \\ -R^{\top}\pqty{\bm{a}-\bm{v}λs} & -λR^{\top}\bm{v} & R^{\top}}\]

で与えられる. これらの行列から明らかなように, Galilei 変換は群の公理を満たし, 変換の全体を Galilei 群という. 特に \(λ=1\), \(\det R=1\) である変換は恒等変換と連結であり, この変換を固有順時 Galilei 変換という. 以下ではこの場合のみを考える.

ところで, Galilei 変換に対して作用が不変なとき, 保存量は何になるだろうか. 微小 Galilei 変換を調べよう.

TODO: 生成子の話

\[\begin{aligned} \pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}} \longmapsto \pmqty{1 \\ t' \\ \bm{x}'} &= \pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}} + \pmqty{0 & 0 & 0 \\ s & 0 & 0 \\ \bm{a} & \bm{v} & R-1} \pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}} \\ &= \pmqty{1 \\ t \\ \bm{x}} + \pmqty{0 \\ s \\ \bm{a} + \bm{v}t + \pqty{R-1}\bm{x}} \end{aligned}\]

Footnotes

  1. むしろ「正規直交座標系から Galilei 変換で結ばれる座標系で Newton 力学が成立する」と言うべきである. このような座標系を「慣性系」という.